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ニキビの痕がシミになる? 炎症後色素沈着の原因と解消法

ニキビ・ニキビ跡の治療 (ケミカルピーリング)

解説 口コミ広場編集部

公開日:2018/11/12


年齢を重ねてくると実感する肌トラブルのひとつにシミがあります。紫外線によって出来たシミ以外にも、ニキビや傷、虫刺されなどの痕がシミになってしまったという人は多いのではないでしょうか。

シミは紫外線によって出来るものという認識は間違いではありませんが、実はニキビや傷などのダメージによっても生じる可能性があります。そこで今回は、ニキビなどの痕にできるシミのメカニズムや予防法、解消法について解説します。

ニキビの痕にできるシミとは?

一般的にニキビや切り傷などを負った後にシミが出来ることを「炎症後色素沈着(えんしょうごしきそちんちゃく)」と言います。名称の通り、何かしらの炎症が治まった後にシミ(色素沈着)が残ることで、とくに肌のターンオーバーが乱れ始める30歳以降に起こりやすい肌トラブルのひとつです。


これに対して、紫外線が原因で出来るシミの多くは「老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)」または「日光黒子(にっこうこくし)」などとも呼ばれ、おおよそ80パーセントのシミの症状は老人性色素斑か炎症後色素沈着に該当するとされています。


炎症後色素沈着はとても身近なシミの症状と言えますが、幅広い意味があるため、どのような症状がこれに該当するかを理解する必要があります。次では炎症後色素沈着に該当する症状について紹介します。


炎症後色素沈着の主な原因や特徴

炎症後色素沈着には様々な原因と症状があります。普段は気にすることがないようなことが原因で発症することもあるので注意が必要です。


ニキビによる肌の炎症後に出来るシミ

炎症後色素沈着が起こる最大の原因と言えるのがニキビです。どの年齢層でも発症するリスクがあり、とくにターンオーバーの周期が乱れる30歳以降は気をつけたい原因のひとつです。


思春期のニキビと大人になってからのニキビは、一般的に「思春期ニキビ」「大人ニキビ」などと違う呼ばれ方をしますが、基本的な原因は同じで、皮脂などによってできた「角栓」が毛穴の出口を詰まらせ、毛穴内部で皮脂が増加。最終的にその皮脂を栄養素として、毛穴内でアクネ菌が増殖することで起こります。

思春期ニキビと大人ニキビで炎症後色素沈着の起こりやすさが異なる大きな理由は、肌のターンオーバーの周期とされており、思春期は約1ヶ月でターンオーバーするのに対し、30歳以降は1ヶ月以上かかるため、中々色素が排出されず、色素沈着が起こりやすくなるのです。


ニキビ痕での炎症後色素沈着は顔、背中、胸、お尻などに出来ることが多く、共通して摩擦や圧力がかかりやすい部分であることが特徴です。なかでも、顔にできたニキビの痕が色素沈着を起こすと目立つため、ニキビは無視できない原因のひとつと言えるでしょう。


傷や虫刺されのあとに出来るシミ

日頃の生活で皮膚を切ったり、虫に刺されることは誰にでもあることですが、これらも炎症後色素沈着の原因です。いずれも、肌細胞を守るために分泌されるメラニンが滞留することで色素沈着を起こします。


虫刺されが原因となるものは露出が多い腕、脚、背中などを中心に出来やすく、虫の毒性に対する免疫が弱い人や、体調が優れない時に虫刺されが起こると肌の炎症も悪化しやすいため、注意した方がいいでしょう。


傷に関しては切り傷や擦り傷といったもの以外にも、シェービングによるカミソリ負けなども原因になります。

ムダ毛の処理をカミソリなどで行っていると、その部分にこういった症状がおこりやすいので、レーザー脱毛などであらかじめリスクを減らしておく事が美しい肌を保つためのポイントになります。


湿疹や汗疹(あせも)

直接の原因ではないのですが、湿疹や汗疹も炎症後色素沈着の遠因になるとされています。皮脂が欠乏して乾燥することで生じる皮脂欠乏性湿疹や、皮脂が過剰に分泌されて起こる脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)などが原因です。


鼻の周辺、手、胸、背中などに出来やすく、アレルギー反応やホルモンバランスの乱れによって生じる場合もあります。症状が長引いたり、慢性的な場合はシミになりやすいとされています。


この他にも炎症後色素沈着は、火傷、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎(かぶれ)などが原因になることがあります。炎症後色素沈着に共通することは、肌が炎症を起こすことで生じる症状ということが言えます。


ニキビがシミになるメカニズム

炎症後色素沈着のなかでも最も身近な原因と言えるのがニキビです。ニキビの痕が色素沈着、つまりシミになるメカニズムを解説します。

ニキビが出来る行程


ニキビは古い角質や汚れ、過剰な皮脂の分泌によって塞がった毛穴に、皮脂腺から分泌され続ける皮脂が蓄積していって微小面皰(びしょうめんぽう)ができ、そのなかでアクネ菌が繁殖して炎症を引き起こすことで表面化します。


ニキビの原因のひとつである皮脂は、ホルモンの増加によって皮脂分泌が活性化されて過剰に分泌されやすくなります。

この皮脂の過剰分泌は成長期、不規則な生活、睡眠不足、生理前など様々な場面で起こる現象のひとつです。また、もうひとつの原因である汚れはメイクの残りや埃、花粉などが該当します。


ニキビの初期段階は赤ニキビと呼ばれる赤い突起物で、時間の経過と共に化膿して黄ニキビに変化します。その後、茶ニキビと呼ばれる色素沈着(シミ)として残ることもあります。

ニキビのほとんどは赤ニキビと呼ばれる段階で完治しますが、間違ったスキンケア、睡眠不足、ストレス、栄養不足などが原因でターンオーバーが乱れて、完治までに時間がかかってしまうと色素沈着を招きます。


ニキビがシミになる行程・茶色のシミ編


ニキビはアクネ菌が作り出した酸性の物質によって肌の細胞がダメージをうけ、軽度の炎症が引き起こされている状態です。


肌が炎症を起こすと、肌の内部では炎症によって弱っている肌細胞を紫外線による刺激から守るために、メラノサイトと呼ばれる細胞でメラニンが増成されます。メラニンには紫外線や細胞を傷つける活性酸素を吸収する働きがあるため人体にとっては重要な存在で、通常であれば肌のターンオーバーとともに垢となって排出されていきますが、大量に分泌されると適切に排出されなくなって滞留し、色素沈着を起こす場合があります。


ニキビが出来た際には、炎症から細胞を守るために一時的にメラニンが分泌されます。しかし、ニキビが長期化、または悪化することでメラニンが分泌され続け、さらには滞留してしまい、結果的に色素沈着を起こしていく事で、肌の一部がメラニンの色、つまり茶色っぽい色で見えるようになっていきます。これが一般的に炎症後色素沈着と呼ばれるシミです。


ニキビがシミになる行程・赤黒いまたは紫色のシミ編


同じニキビでもニキビ痕に出来るシミの色が赤黒い、または紫色がかっている場合は毛細血管がダメージを負った際に生じる内出血の可能性があります。


ニキビによる炎症が悪化すると、肌の細胞が深くまで破壊されて化膿することがあります。その際に炎症が真皮にまで到達し、毛細血管が破壊されると出血を起こします。

この破壊された毛細血管から出血した血液が肌細胞に染み込み、さらに酸素と結合できなくなったヘモグロビンが黒く変化して血腫(けっしゅ)になると、肌表面から透けて見えるようになります。

ほとんどの場合、赤黒いか紫色をしているのが特徴で、血腫は時間の経過と共に治まるとされています。


ニキビの痕がシミになるのは、炎症を起こした部分に滞留したメラニンが色素沈着を起こすことや、肌内部で起こる毛細血管からの出血が原因と言えます。


炎症後色素沈着の解消法

炎症後色素沈着を解消するためには塗布薬を始め、医療機関などでケアをする方法があります。



ハイドロキノン

ニキビの痕などに出来るシミである炎症後色素沈着には肌の漂白剤と呼ばれる「ハイドロキノン」が含まれている軟膏が効果的です。


ハイドロキノンにはチロシナーゼの働きを抑制する効果があります。チロシナーゼは紫外線や炎症などで生じる刺激を受けると生じる酵素のことで、活性化するとメラニンを黒色に変化させるためシミの元凶とも言われています。


ハイドロキノンにはこのチロシナーゼを抑制する効果があるため、必然的にシミも出来にくくなるのです。ただし、効果が見込める反面で肌への刺激が強い特性があり、濃度が4パーセントを超える物は医師による処方が必要です。また、濃度が高いハイドロキノンは赤みや痒みなどが生じる可能性があります。


ハイドロキノンの効果の高さを実証した事例として、ロート製薬が実施した炎症後色素沈着がある被験者61名の臨床実験において、塗布後12週間に54パーセントの被験者に著明改善があったことが報告されています。(2005年の第23回日本美容皮膚科学会で発表)この発表以降、多くの製薬会社から安全性や保存に長けたハイドロキノン配合の製品が販売されています。


ケミカルピーリングによるターンオーバーの促進

ニキビの痕に出来たシミを解消するためには、医療機関(クリニック)でケミカルピーリングを受けることも効果的です。


フルーツ酸のひとつであるグリコール酸で出来たピーリング剤を使用したケミカルピーリングは、古い角質を融解して剥がす肌トラブル治療法のひとつです。古い角質が剥がれることで表皮再生が促進されるため、シミの解消以外にも黒ずみ、くすみ、ニキビの解消にも活用されています。


施術後は腫れ、むくみ、内出血などのリスクがあるとされていますが、あくまでも一時期な症状のため過度な心配は必要ありません。ケミカルピーリングはエステサロンでも受けられますが、医療機関の物と比較してピーリング剤の濃度が薄いという違いや、トラブルの際に適切な処置が行えるかどうかという違いがあります。



ターンオーバーの正常化を促進

ニキビ痕のシミを解消するうえで最も基礎的な対策がターンオーバーの正常化を促進することです。シミはメラニンが過剰に分泌され、なおかつ滞留してしまうことで発生しますが、ターンオーバーの周期が乱れなければメラニンが色素沈着を起こす前に体外へ排出されます。


ターンオーバーの正常化は、1日7時間以上の睡眠1日30分以上の運動による血行促進ビタミンC(100ミリグラム/日)やビタミンE(6.0ミリグラム/日)の摂取、バランスがとれた食事、そして肌に刺激を与えない正しいスキンケアが重要です。加えて、日頃から紫外線対策と保湿ケアを心がけましょう。


ターンオーバーを正常化させていく方法としては、フォトフェイシャルなど光治療機器を使って肌の代謝を促すような治療法も効果的です。


炎症後色素沈着の予防法

ニキビや虫刺されなどによって起こる炎症後色素沈着は、日頃からいくつかのポイントを押さえることで予防が可能ですので主なポイントを紹介します。


炎症を抑える

ニキビや虫刺され、切り傷など様々な種類の炎症がありますが、これらの炎症を早い段階で抑えることも炎症後色素沈着の予防に繋がります。ニキビには抗炎症作用がある塗布薬、虫刺されには冷却や刺激を与えないといった初期対応が有効です。


紫外線対策

紫外線対策はスキンケアの基本ではありますが、炎症後色素沈着においても紫外線対策は必須です。理由として、炎症を起こした肌に紫外線があたることでメラニンの生成が過剰になるためです。最も基本の予防策として覚えておきましょう。


刺激を避ける

炎症後色素沈着に限らずシミ全般に有効な予防策のひとつが刺激を避けることです。とくに、肌に炎症がある場合は泡をたっぷりにしてやさしく手で洗いましょう。なかでも、骨が突出している頬や関節部分の炎症は摩擦が生じやすくシミが出来やすいため注意してください。


この他にも「炎症後色素沈着の解消法」で紹介したターンオーバーの正常化を促進することも予防に効果的です。炎症後色素沈着を予防するには炎症を悪化させないケアが肝心と言えるでしょう。


まとめ

ニキビや虫刺され、傷などの痕がシミになることは決して珍しいことではありません。なかでも、日常的な肌トラブルの代表格であるニキビにはシミになるリスクが含まれていることを理解する必要があります。


キレイな肌を保つためには、シミになってから対策を講じるよりも、ニキビなどによる炎症後色素沈着が出来ないように予防することが肝心です。日頃からニキビなどの肌トラブルを予防することを意識しましょう。



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