ぶつぶつが気になるいちご鼻を解消する治療法

そもそもいちご鼻とは？

毛穴ケアグッズにもよく記載されているほど、鼻の毛穴トラブルとして広く知られるようになった「いちご鼻」。いちご鼻とは、主に鼻のてっぺんや小鼻の周りが、いちごの「種」のように黒くブツブツした状態の事を指します。

ではこの黒いブツブツはいったい何かというと、その主な正体は「角栓」です。角栓とは、皮脂と汚れが混ざり合い、古い角質となって毛穴に蓄積されたものですが、いちご鼻とはこの角栓がさらに時間が経過し、酸化する事などによって黒くなってブツブツしている状態のことです。

角栓が詰まって黒くなる症状としては「黒ニキビ」も同じものですが、黒ニキビが鼻の広範囲で発生している状態が、いちご鼻の主な状態であると言えるでしょう。

ただし、いちご鼻は角栓のみがその要因ではなく、毛穴のシミ（色素沈着）などによっても目立つようになるため、角栓を除去すれば完全になくなるとは言えない場合もあります。

いちご鼻になってしまう原因？

それでは、鼻のてっぺんや小鼻がなぜこのような状態になってしまうのでしょうか。その主な原因は以下のようなものとなっております。

皮脂の過剰分泌

脂性肌の人、新陳代謝が活発な10～20代の若い人は皮脂の分泌が過剰になっています。いちご鼻の主な原因は毛穴への皮脂詰まりですので、皮脂の分泌が多ければその分いちご鼻になってしまう確率も上がります。

特に夏など汗を掻きやすい季節は毛穴が開きやすく、汚れと皮脂が混ざって毛穴を詰まりやすくするため、いちご鼻になりやすいといえます。

若い世代の人だけに限らず、30～40代以降の女性にも皮脂が過剰分泌する症状が見受けられることがあり、これはホルモンバランスの乱れが原因となっています。ストレスなどによってホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンが強くなる事でも皮脂の分泌は促進されるため、注意が必要です。

外気の埃・メイク汚れの残留

洗顔やクレンジングで落としきれていない外気の埃やメイクの残留物は、そのままにしておくと皮脂と混ざって毛穴を詰まらせ、角栓となります。

汚れが残ってしまうのは間違った洗顔方法によることが多いので、油性のメイクは必ず専用クレンジングを使う、朝も必ず洗顔料を使うなど基本的なことから気をつけましょう。

ターンオーバーの乱れ

人間の皮膚は、ターンオーバーという一定の周期に従い皮膚の再生が行われています。このターンオーバーが正しい周期で行われない場合、通常はターンオーバーによって垢となり剥がれ落ちるはずの古い角質がたまって厚くなり、皮脂と混ざる事で毛穴を詰まらせやすくなります。

乾燥肌・インナードライ

いちご鼻のような毛穴の目立ちや開きは、皮脂の分泌が多い脂性肌だけの人だけに限りません。保湿不足で肌が乾燥していると、古い角質がボロボロになって肌に残り、「粉をふいた」状態となりますが、この古い角質が皮脂と混ざる事でも角栓は作られます。

また、乾燥により肌が敏感になると、肌が外的要因から守ろうとバリア機能が働き、皮脂分泌が過剰になることがあり、肌表面は皮脂たっぷりで脂性肌、肌内部は水分が不足し乾燥肌という「インナードライ」と呼ばれる状態になる事もあります。この場合、角質は剥がれやすく、皮脂は分泌が多いので最も毛穴を詰まらせやすい状態であると言えます。

特に鼻を含むTゾーンは、皮脂の分泌が元々盛んな部位ですので、インナードライになりやすく、注意が必要です。

色素沈着

紫外線や外的要因により皮膚がダメージを受けると、肌は外部の刺激から細胞を守ろうとして、メラニン色素を活発に作るようになります。そして、多量に作られたメラニンが中々排出されない状態となると、一般的にいう「シミ」の状態となります。

このシミは、肌表面だけではなく、毛穴でも発生します。毛穴は皮脂の刺激などによってメラニンが作られやすい状態となっているため、肌にはあまりシミが無くても、毛穴部分にだけメラニンが作られてシミになるというケースもあります。

毛穴が特に詰まっていそうでもなく、しっかりと洗顔などを行っても解消しない小鼻の黒ずみが気になる場合は、メラニンによる色素沈着も考えられるでしょう。

小鼻のうぶ毛

普段はあまり意識しない「うぶ毛（軟毛）」ですが、場合によってはこれがいちご鼻の原因になっている事もあります。

うぶ毛が原因となっている場合は、毛を剃っても根本的な解消にならないため、小鼻うぶ毛専用の脱毛を検討しましょう。

間違いケアはいちご鼻を悪化させる

このようにいちご鼻は、世代関係なくおとずれる肌トラブルのため、まずセルフケアで何とか対処しようする人がほとんどでしょう。しかし、中には間違ったセルフケアを行っていちご鼻を余計に悪化させている人も少なくないのです。

いちご鼻の間違ったケア方法についてご紹介します。

角栓を剥がすタイプの毛穴パック

鼻の毛穴をスッキリさせるグッズというと、真っ先に思い浮かべるのが剥がす毛穴パックではないでしょうか。

確かに角栓を剥がすタイプの毛穴パックは、小鼻に貼ってピリっと剥がすだけで角栓がテープにくっついて剥がれ、肉眼で角栓が取り除かれた様が確認できるため、毛穴の汚れを除去したという満足感に繋がりますし、実際に毛穴の汚れはある程度除去できると言えます。

しかし、実はこの角栓を剥がすタイプの毛穴パックは、いちご鼻を悪化させてしまうことになるのです。その理由は、小鼻のまわりにぴたっと貼り付けたテープを剥がす瞬間が毛穴を余計に広げてしまうことと、皮膚表面の大切な細胞ごと同時に剥がしてしまい、ダメージになる事にあります。

毛穴パックの使用によって皮膚の細胞が傷つくと、そのダメージで更なるターンオーバーの乱れや乾燥、皮脂の分泌などを引き起こしてしまう事から、一時的には黒ずみが解消できても、どんどん黒ずみが出来やすくなるという悪循環に繋がる可能性が高いため、毛穴パックはあまり利用しない方が良いでしょう。

ピンセットなどで角栓を無理矢理つまみ取る

ピンセットなどを使い、角栓を無理矢理つまみ取るのも、大きな間違いです。毛穴パック同様、毛穴を広げさせるだけでなく、ピンセットで引っかく事で皮膚の表面が傷つき、毛穴の状態が悪化する事から、黒ずみだけではなく炎症を伴ったニキビなどもできやすくなります。

過剰な間違った洗顔方法

いちご鼻が気になるからと、スクラブや刺激の強い洗顔料でゴシゴシ洗いすぎる、1日2回以上の過剰な回数の洗顔を行うことは、肌本来の保湿機能やバリア機能が失われ、かえって皮脂分泌が過剰になり毛穴が開きやすくなります。

いちご鼻はクリニックで治療可能！

セルフケアのいちご鼻ケアに限界を感じたり、即効性で効果改善を求める人は、やはり皮膚科などの専門医療機関で治療を受けることがおすすめです。では、主にどういった治療方法があるのでしょうか、代表的なものをご紹介します。

いちご鼻に有効なレーザー治療とは？

美容皮膚科で行われるいちご鼻改善の治療法の第一選択肢に挙げられるのは、レーザー治療です。中でも以下3種類の方法がいちご鼻改善に一定の実績があることで知られています。

フラクショナルレーザー（凝固型）

フラクショナルレーザーは、細いレーザーを広い範囲で照射する治療方法の事で、主に真皮0.5～１ｍｍの深さまで微小の細い穴を開けて熱を加える事で肌に適度な刺激を与え、真皮のコラーゲン生成や、ターンオーバーを促進してくれます。

毛穴の中でも特に凹凸が激しいところに有効です。

フラクショナルレーザーに用いられるレーザーにはいくつかの種類があり、大きく分けて「凝固型」と「蒸散型」があります。

凝固型のフラクショナルレーザーは、レーザーの熱で肌組織を熱変性させ、凝固させる事で効果を発揮します。肌に対する負担が少なく、出血やかさぶたなどが出ないというのがメリットです。

eCo2（エコツー）レーザー（蒸散型）

eCo2（エコツー）レーザーは、フラクショナルレーザーの中でも蒸散型と呼ばれるタイプのレーザーで、炭酸ガスレーザーを利用します。基本的な原理として、細かいレーザーを照射して真皮に刺激を与えるという点では同じです。

蒸散型の場合、レーザーの威力が強く、肌組織を熱で蒸散させ、その周囲に残った組織の活性化を図るものです。

凝固型と比べ、肌の深い部分にまで効果を発揮しやすく、高い治療効果が期待できる反面、術後の内出血や痛みが激しいことがデメリットでもあります。肌ダメージが大きいため、術後に炎症後色素沈着などを引き起こす場合もあります。

カーボンピーリング

カーボンピーリングとは、いわゆるケミカルピーリングとは異なります。その施術方法は、カーボンローションというものを毛穴に塗布し、黒い色素に反応するレーザーを使って熱を加えるもので、レーザーを照射すると一気にローションが蒸発してピーリング効果がえられます。レーザーの熱エネルギーにより細胞に働きかけ、ターンオーバーを促進し、毛穴の老廃物を除去し毛穴も引き締めてくれます。毛穴改善以外にも肌のくすみ、シワ、ハリなどの効果が同時に期待できます。

クリニックでいちご鼻を治療するメリット

美容皮膚科などの医療機関でいちご鼻を治療するには、予算もそれなりに覚悟する必要がありますが、予算を使ってでもクリニックでいちご鼻を治療するメリットにはどういったことがあるのでしょうか

専門医の診断を受けることができる

いちご鼻と一言に言っても、その原因、種類は様々です。ご自身では毛穴に汚れが詰まっただけと思い込んでいても、実際は全く違った原因かもしれません。ご自身の症状に合った適切な治療を行わなければ、いちご鼻の症状を改善出来ないどころか悪化させる元になりますので、やはり専門医に診てもらって適切な診断を受けられることが何よりのメリットでしょう。

治療の選択肢が広く、即効性に近い効果も期待できる

いちご鼻は、セルフケアでなかなか症状が改善しにくい肌トラブルの1つです。クリニックでは多くの治療の選択肢があり、その人のいちご鼻の状態に応じて適切な治療方法を専門医が判断してくれます。また、比較的数回の治療で満足のいく改善効果が期待できます。

一石二鳥で美肌効果も期待できる

いちご鼻の治療は、肌の代謝向上を促進する事がメインとなるため、いちご鼻の治療を行いながら肌の弾力、ハリなどの美肌効果も一石二鳥で期待できます。

クリニックでの治療はどれくらいの期間が必要？

クリニックでいちご鼻を治療をした場合、どのぐらいの期間が必要になるのでしょうか。それぞれの平均治療期間は下記の通りです。

フラクショナルレーザー（凝固型）

フラクショナルレーザーは、術後2～3日は痛みや腫れが続くことがありますが、その後5日～1週間ほどで皮膚がどんどん回復していきます。1回の照射で10～15%近くの皮膚が再生する為、100%に近づけるには数回の施術が必要になります。約3～4週間に1回、全部で5～6回の施術が目安になります。

eCo2（エコツー）レーザー

eCo2（エコツー）レーザーは、フラクショナルレーザーよりさらに少ない回数で効果が実感できますが、腫れ、痛み、内出血が強いため、通院は2カ月に1回程度、合計4回ほどを目安とされています。

カーボンピーリング

カーボンピーリングも複数回通う必要があります。およそ3～4週間に1回の割合で5～6回の回数を目安にして通うことになります。

自宅でできるいちご鼻のセルフケア

では、自宅で手軽に行える正しいいちご鼻セルフケアにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは実践しやすいものをいくつかご紹介します。

メイクを落とすときは必ず専用クレンジングを

洗顔料のみでメイクを落としたり、クレンジング専用シートなどで拭き取るだけで済ませてしまったり、思いの外、メイクを適切な方法で落とせている人はそう多くありません。

メイクのベースとなるファンデーションは、ほとんど油分ですから、当然落とす場合は油分がきっちり落とせるものでないと毛穴に汚れが溜まったままになります。

特に毛穴の汚れや角栓が目立ついちご鼻の人は、適度に潤いを落とさず肌に負担がかかりにくい、ジェルタイプかミルクタイプのクレンジング剤をおすすめします。

肌質やメイク内容によってクレンジングを使い分ける事も大切です。

洗顔時はお風呂か蒸しタオルで毛穴を開かせてから

いちご鼻が気になる人にぜひご実践いただきたい洗顔方法は、洗顔前に蒸気があたるお風呂の中に暫く浸かるか、顔に蒸しタオルを軽くあててから洗顔を行う事です。

こうすることで毛穴が開き、溜まった汚れや角栓が綺麗に取れやすくなります。蒸しタオルは、熱めのお湯で絞っても構いませんが、濡らしたタオルをおしぼり状にくるくる巻いてラップをかけ、電子レンジで約1分ほど温めるとさらに簡単に作ることができます。

洗顔は人肌ぐらいのぬるま湯で

いちご鼻改善のための正しい洗顔を行うには、お湯の温度も肝心です。熱すぎる温度で洗ってしまうと、肌に必要な皮脂まで落としてしまい、反対に冷水で洗ってしまうと、汚れを落とす前に毛穴に汚れを閉じ込めてしまうことになり、汚れがきちんと落とせなくなります。洗顔のための適温としては34～36℃程度の人肌ぐらいのぬるま湯で必ず洗うようにしましょう。

やさしく丁寧に洗う

前述しましたが、小鼻の汚れが気になるからとゴシゴシこすって洗いすぎてしまうのは、

肌に本来必要な皮脂まで落としてしまうため逆効果になります。ブラシなどを使うのは絶対避けるべき行為ですが、爪を切った指の腹を使って丁寧に優しく洗顔するようにしましょう。

たまにはピーリング剤や酵素洗顔も

毛穴に溜まった角栓の正体はタンパク質と皮脂ですが、油分の強い洗顔料ではこのタンパク質は分解されません。タンパク質を効率よく分解するには、酵素成分またはピーリング効果のある洗顔料、ケア剤を使うことです。ただし、ピーリングケアは肌に刺激の強いものも多く、毎日使うと逆効果になることがありますので、くれぐれも正しい使用方法、使用頻度を守ってケアするようにしましょう。

いちご鼻を改善するための正しい生活習慣

これはいちご鼻だけに限りませんが、美肌キープに最も必要なセルフケアは肌のターンオーバーを促進させることです。そのためには、正しい生活習慣を心がけることです。

睡眠不足を避け、良質な睡眠を行う

肌のターンオーバーが正常に機能されるためには睡眠は欠かせません。深夜の遅い時間までダラダラと夜更かしをしてしまうことはもちろんですが、そもそもベッドに横になっていても脳が完全に休まる状態でなければ適切な睡眠を摂ったことにはなりません。なるべく早めの時間にベッドに入るようにし、疲れすぎてなかなか寝付けない時はアロマなどを焚いてみて心身ともにリラックスした状態で眠りにつくようにしましょう。

食生活の見直し

肌のターンオーバーを促進するには睡眠と同等に食生活は重要な要素を占めます。現代女性は食事に手間と時間を割かない人が急増していますが、簡単でもなるべくたくさんの品目の摂取ができることが理想です。

特にいちご鼻、毛穴改善に効果的な栄養素としては、緑黄色野菜に含まれるビタミンA類、いちご、キウイなどに多く含まれる美白作用のあるビタミンC類、植物性オイルなどの含まれる抗酸化作用、新陳代謝アップに効果的なビタミンE類などは積極的に摂取できるように心がけてください。

ストレスフリーな生活を

ストレスの溜めすぎでニキビができてしまうほどストレスは皮脂の分泌と密接に関係しています。ストレスの蓄積は、ホルモンバランスが崩れることで皮脂が活発になり、毛穴が開きやすくなる原因になったり、体内の活性酸素が増加してしまい、メラニン生成に繋がりやすく黒ずみの原因にもなります。日常の中で誰しもストレスは溜まるものですが、自分なりのストレス解消方法を見つけ、ストレスフリーな生活が維持できるよう心がけましょう。

 まとめ

いかがでしたか？今回はぶつぶつが気になるいちご鼻を解消する治療法を、セルフケア、専門医での治療法などを詳しくご紹介させて頂きました。自分でできるセルフケアとしては、まず間違ったいちご鼻ケアを改め、正しい洗顔、クレンジング方法を身に付けて頂くことです。もちろん食生活や睡眠、ストレスなどの生活習慣を見直すことも症状の改善に重要な要素を占めます。

そして、セルフケアで限界を感じた場合は、レーザーやピーリングなどを使った専門医の治療を受ける事もオススメです。

クリニックでは無料のカウンセリングでも毛穴トラブルの状態や治療法についての相談が可能なところが多いので、まずはカウンセリングだけでも気軽に受けてみてはいかがでしょうか。