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脱毛や除毛後に炎症やかゆみなど肌荒れが起こる原因と対策方法

医療脱毛

解説 口コミ広場編集部
監修 渕上淳太 医師

公開日:2018/11/30


脱毛に関心があるけれど、敏感肌などで脱毛の刺激によって肌が痛むことを心配している人もいるのではないでしょうか。ネットの脱毛に関するクチコミでは痛みや赤みなどの炎症が起きたという声も見られます。脱毛後のかゆみや赤みなどの炎症は日頃のスキンケアと深い関係があります。

そこで今回は脱毛後のかゆみなどの炎症を防ぐ方法や、脱毛後のスキンケア法なども含めて脱毛と炎症の関係性について解説します。

監修 渕上淳太

ミセルクリニック 大阪梅田院 院長

経歴
2007年徳島大学医学部医学科卒業
2007年鞍馬口医療センター 初期臨床研修医
2008年京都府立医科大学付属病院 初期臨床研修医
大阪大学形成外科入局
2009年大阪府立急性期・総合医療センター 形成外科 医員
2010年大阪府立母子保健総合医療センター 形成外科 医員
2011年大阪警察病院 形成再建外科・美容外科 副医長
2016年福岡大学大学病院 形成外科 病棟医長
2018年医療法人社団奉志会 ミセルクリニック大阪梅田院 院長就任

所属学会
日本形成外科学会
日本創傷外科学会
日本皮膚悪性腫瘍学会
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
日本形成外科手術手技学会

脱毛、除毛と肌荒れの関係

現代の脱毛法と言えば、一般的にはクリニックで行われる医療レーザー脱毛や、エステサロンを中心に行われているフラッシュ脱毛が知られています。さらに、シェービングや毛抜きなどの自己処理も、脱毛として表現される場合があります。


このうち、毛が生えて来なくなる永久脱毛については医療レーザー脱毛や医療機関で行われる絶縁針脱毛などの医療脱毛のみ。エステサロンでの脱毛は完全に毛が生えて来なくなるというものではないため、減毛であり、シェービングなどその他の自己処理については一定期間が経過すれば必ず元通りの状態に戻るため、一時的な除毛という扱いになります。


それぞれ「脱毛」という目的への効果度合いについては差があるものの、これらのムダ毛処理方法に共通することは「肌への刺激になる」ことです。


医療機関(クリニック)で受けられるレーザー脱毛は強いレーザー光を照射して毛根を破壊する方法のため熱によるダメージを負いやすいとされていますし、エステサロンで使われているフラッシュ脱毛はレーザー光よりも微弱な光ではあるものの肌への刺激は否めません。


ただし、実は最も肌への刺激が強いムダ毛の処理法とされるのが自己処理による除毛です。シェービングや毛抜きなどはごく一般的な自己処理方法と認知されていますが、シェービングによるカミソリ負けや、毛抜きによる毛穴の炎症に対するアフターケアが適切でなく、結果的に肌がダメージを負っていることが多いのが実情のようです。


様々な脱毛法において肌がダメージを負うことは避けられませんが、どのように防ぎ、どのようにケアをするかが大切になることを理解しましょう。


脱毛、除毛で生じる肌荒れの種類と原因

脱毛後に生じるかゆみや赤みなどの炎症にはいくつかの種類、そしてそれぞれ異なる原因があります。それらを理解することで対策が可能になります。


毛嚢炎(もうのうえん)


一時期に開いた毛穴に細菌が入り込むことによって起こる炎症です。毛嚢(もうのう)と呼ばれる毛根を包んでいる部分が炎症を起こして、赤くニキビのような隆起した状態になります。悪化すると化膿して跡が残る可能性があります。


炎症の原因となるのは黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌で、毛穴が開く行為や汗をかくことで発症することが特徴です。なかでも肌が傷つきやすいシェービングや毛抜きなどの自己処理の除毛では、傷ついた肌において菌が繁殖しやすいため、起こりやすいとされています。


かゆみ・赤み


脱毛や除毛の後に皮膚が赤くなったり、痒くなったりする症状です。ほとんどの場合で3日程度で完治しますが、繰り返し起こることで黒ずみシミになる可能性があります。


レーザー脱毛やフラッシュ脱毛の場合、脱毛の仕組み的に毛根周辺の細胞へ熱によるダメージが加わるため、軽いヤケドのような状態となり、炎症による赤みや痒みが生じるようになります。


特に毛が太く色の濃い部分や、毛が集中している部分を脱毛した場合に起こりやすいといえます。


一方、除毛におけるかゆみや赤みの原因は、角質層が削れてしまうことです。とくにシェービングで同じところを何度も剃ったり、逆剃り(毛の流れと逆方向から剃ること)で起こりやすいとされています。切れ味が悪いシェーバーやシェービングクリームを使わないことでも起こる可能性があります。


▼乾燥肌


乾燥肌は脱毛後になりやすい症状のひとつです。乾燥肌はかゆみや赤み、色素沈着なども誘発するため、肌荒れの元凶とされています。


医療レーザー脱毛やフラッシュ脱毛のように光の熱で脱毛を行った後の肌は、熱による刺激を受けるため一時的に水分を失った状態になります。とくにレーザー脱毛などの熱エネルギーが高い脱毛法は2週間程度にわたり肌が乾燥しやすくなるため、いつも以上の保湿ケアが求められます。


また、除毛であっても肌の乾燥は引き起こされます。

これもやはりシェービングによる自己処理の場合におこりやすく、肌の水分を保ちバリア機能を果たしている肌表面の角質層を削ってしまうため、肌が乾燥しやすくなります。


▼色素沈着(シミ)


脱毛後に起こる毛嚢炎や赤み、かゆみが生じた肌で生成されるメラニンが皮膚内に滞留することで起こるのが色素沈着です。


脱毛に限ったことではありませんが、刺激を受けた肌は肌細胞を守るためにメラニンを分泌します。そのメラニンが過剰でなおかつ滞留してしまうと色素沈着を起こします。脱毛や除毛による刺激も色素沈着の原因になることを理解しましょう。


毛嚢炎、かゆみや赤み、乾燥肌、色素沈着は脱毛による肌トラブルの代表格です。これらの特徴や原因を理解して対策を講じることが大切です。


炎症が起こりづらい脱毛法

脱毛による刺激を避けることは難しいですが、刺激の度合いを下げることは可能です。ここでは刺激が少なく肌荒れが起こりにくいとされる脱毛方法を紹介します。


蓄熱式脱毛法


従来のレーザー脱毛と比較して肌への刺激が少ないとされるのが蓄熱式脱毛法です。


従来のレーザー脱毛やフラッシュ脱毛は単発式と呼ばれる脱毛法で、毛根や毛乳頭に存在する毛のメラニンにレーザーを照射して熱ダメージを与え、毛を育てる機能を持つ毛根部分の細胞を破壊する事で脱毛する仕組みですが、蓄熱式脱毛法は毛根よりも浅い部分にある、バルジ領域と呼ばれる部分にアプローチします。


バルジ領域は直接毛を育てるわけではないものの、この部分から発毛因子(毛の成長を促す因子)が作り出されるため、この部分を破壊することで毛の再生を防止し、脱毛効果を得る事が出来ます


蓄熱式脱毛法はレーザー脱毛などと同じように脱毛を目的としているものの、そのアプローチ法が異なるため、これまでの脱毛法よりも肌への刺激が少なくて済むと2000年頃から注目されている技術です。


痛みや刺激が少なく効果が得られると評判で、従来の脱毛方法よりも早く効果が得られるという情報もあります。


一方で、従来の単発式による脱毛ではレーザーの照射後しばらくすると毛がすぐに抜けるのに対し、蓄熱式脱毛の場合は毛の再生を防ぐだけで、今生えている毛が抜けるという作用が弱いため、効果を実感するまでに最低でも1ヶ月以上の時間を要することから早い段階で「効果なし」と諦めてしまう人が多い脱毛法でもあります。



蓄熱式脱毛法は一部の医療機関で受けられ、また同じような理論で受けられるエステサロンでの脱毛もありますが、機材を保有していない機関も多いため事前にウェブサイトなどを通じて調べるようにしましょう。


フラッシュ脱毛


フラッシュ脱毛はエステサロンで受けられる脱毛法の総称で、IPL脱毛(Intense pulsed light)やSSC脱毛(Smooth Skin Control)が代表的です。レーザー脱毛と同じ原理ですが、照射する光の強さが微弱で肌への刺激が少ないことが特徴です。一方で、効果を実感するのに時間がかかることや、少なくとも1年ほどの中長期的な通院が必要です。


フラッシュ脱毛には黒ずみを解消する美肌効果1回の施術時間が短いなどの利点もあり、とくにSSC脱毛は専用ジェルを使用するため敏感肌の人でも受けられることが特徴です。


ただし、前述のようにエステサロンで受けられるフラッシュ脱毛は、そもそも永久脱毛の効果があるものではなく、毛根を弱らせる事しかできないため、ムダ毛の無いツルツルな肌を目指すのであれば医療レーザー脱毛を選択する必要があります。


脱毛前に出来ること

脱毛によって炎症が起こるのは肌がダメージを受けてしまうためですが、そもそも健康的な肌でなければ脱毛を受けられない場合もあります。とくに、敏感肌光過敏症ケロイド体質アトピー性皮膚炎などによる出血を伴う炎症がある場合は施術を断られる傾向にあります。(カウンセリングは可)


また、気分がすぐれないときなど肌とは関係がない体調不良であっても、脱毛による刺激が悪影響となる事が懸念される場合には施術を断られる可能性があります。つまり、脱毛を受ける際は肌も身体もすべて健康的であることが不可欠と言えるでしょう。ここでは肌の健康状態を整えるために出来る対策を紹介します。


保湿


最も基本的なスキンケアであり、最も重要と言える対策です。水分を失った状態の肌は刺激に弱く、わずかな刺激で赤みやかゆみなどの症状を引き起こします。そのため、日頃から刺激に耐久性がある肌を作るために保湿は不可欠です。水分を失いがちな入浴後は保湿効果が高いセラミドホホバオイルなどが含まれいる保湿クリームを活用しましょう。


紫外線対策


目に見えない刺激として肌を襲う紫外線は、メラニンを増成させて色素沈着を誘発する以外にも、水分の蒸発肌の表面に余分な角質が滞る角質肥厚(かくしつひこう)を招きます。これらは肌のバリア機能を低下させてしまうため、刺激に弱い肌、つまり炎症が起こりやすくなるのです。


多くのクリニックでは施術前後の1ヶ月を目安にして日焼けをしないよう推奨していますので、通年で紫外線対策を心がけましょう


紫外線を避けるという意味でも、脱毛を開始する理想的な時期としては秋から冬頃で、この時期に脱毛を開始する事で肌のダメージへの懸念も少なく、また一番脱毛効果を得たい夏までに脱毛を完了させる事ができます。


自己処理への注意


脱毛を受ける直前は肌に余計な刺激を与えないためにも過度な自己処理は控えましょう。とくに刺激を受けやすいカミソリによるシェービング毛抜きは控えてください。クリニックによっても見解が異なりますが、自己処理は施術の2日前までに済ませることが望ましいとされています。


このように脱毛の施術前は肌を健康的な状態にしておく対策が必要です。脱毛による刺激を避けることは出来ませんが、刺激によるダメージを軽減させるために健康な肌が必要と考えるといいでしょう。


脱毛後の肌荒れ対策

脱毛後は一時的ながら肌はダメージを負った炎症状態になります。ここでは痛みやかゆみなど肌荒れの諸症状に対する対応策を紹介します。



しっかりと保湿


脱毛後は肌から水分が蒸発した状態になるため徹底した保湿対策が求められます。なおかつ、炎症を負った肌には刺激が少ない保湿ケアが望ましいため、敏感肌用のセラミド天然保湿因子(NMF)が豊富に含まれている低刺激のクリームを選びましょう。


クリニックによっては炎症を抑えるようなクリームも処方してくれるため、肌のダメージが心配な場合はこうしたアフターケアまで行ってくれるところを選ぶのも良いでしょう。


火照りがある場合は冷却する


脱毛後は軽度の火傷を負ったような状態です。そのため冷却することで炎症を防ぐことが可能です。極度に冷たい氷やアイスパックなどは控え、流水または冷えたタオルを当てることが効果的です。仮に、痛みがあるような場合は流水のみで対応してください。

逆に、運動など体が温まる行為は炎症を悪化させてしまう可能性があるため、脱毛直後はNGです。


飲酒しない


飲酒行為は一時的に血流を促進するため、火傷状態の肌にとっては症状を悪化させるリスクがあります。飲酒後は体温が上昇し赤み痒みが増幅されるため、諸症状が沈静化するまで飲酒は控えてください。


入浴は避けてシャワーですます


脱毛後3日程度は患部を中心にして体温が高い状態が続きます。そのため、体温を上げることにも繋がる入浴は控えた方が無難です。赤みが治まるまでは通常時よりも低めの温度でシャワーを浴びる程度にすることをおすすめします。


また、シャワーの水圧も強すぎると炎症部分に悪影響となる可能性があるため、水圧は弱めで利用するようにしましょう。


紫外線対策は脱毛後もしっかりと


どの医療機関も脱毛前後の日焼けは厳禁としています。炎症の悪化だけでなく色素沈着の原因にもなりますので、日焼け止めを塗布することや患部を晒さないことに気をつけましょう。


脱毛の際には医師や看護師から説明がありますが、脱毛後の3日から10日間はとくに保湿と紫外線対策を徹底してください。かゆみなどの炎症が悪化または長期化することを防げます。


日焼け止めは場合によって肌への刺激となって痒みを感じる事があるので、その時は日焼け止めではなく、なるべく衣服の工夫などによって紫外線を防止するようにしましょう。


まとめ

現代では様々な脱毛法がありますが、いずれも肌への刺激になることは否めません。しかし、刺激によるダメージを最小限に抑えることは可能です。それには保湿や紫外線対策など基本的な対策が有効ですので、ぜひ日頃からこれらの対策を心がけて快適な脱毛を受けましょう。

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