REVISION CLINIC/リビジョンクリニック （池本形成外科・美容外科）

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングはskin resurfacing（皮膚をひと皮剥いて新しい皮膚に生まれ変わる治療法）の代表的な方法で、1990年代から行われているお肌に対する効果が定着した治療法です。ニキビ・ニキビ跡・毛穴のひらき・くすみ・色素沈着・小じわ・脂性（あぶらしょう）・角化症などに効果があります。 開発当初はわれわれアジアの人種にとっては、施術後の色素沈着や瘢痕形成がたびたび問題になりました。 それらは欧米人と日本人のスキンタイプの違いが十分に理解されていなかったことが原因でありました。 最近では皮膚の深い層まで到達するピーリング剤は日本人には不向きで、効果が浅い層までにとどまるピーリング剤を繰り返し行うことが望ましいとされています。 当院で用いているピーリング剤は主に”グリコール酸”　”サリチル酸”　”乳酸”などです。いずれも表皮角質層〜基底層に作用するものですし、施術者は良く訓練されており、医師の指導のもと行うようにしております。 ケミカルピーリングの治療効果は、ピーリング剤の薬理作用によって皮膚が化学的な損傷を受けることにより剥離され、表皮や真皮の一部が再生・修復されていく自然治癒能力を利用しています。 目的とする疾患やお肌の悩みによってピーリング剤の作用部位が異なります。 お悩みに応じて薬剤の種類や濃度などを適切に選択し、患者様の肌質や生活スタイルに合わせた最適な方法をご提案致します。 当院で用いている主なピーリング剤 ● グリコール酸 グリコール酸はアルファ・ヒドロキシ酸（AHA）の一種でサトウキビやタマネギに多く含まれている天然成分です。AHAはフルーツや植物に多く含まれているためフルーツ酸とも呼ばれています。グリコール酸を含むフルーツ酸の特徴は皮膚の最も表面に近い角質層における、ヘミデスモソームという細胞の接着器官を破壊して”結合力を弱める作用”が有るということです。細胞同士の結合力を弱めることで皮膚のターンオーバーを早めて、古い角質層を除去する効果があります。中でもグリコール酸はその作用が最も強いとされており、また体内や皮膚に自然に存在していることからも安全性高く使用することが出来るので、最も頻繁に用いられるピーリング剤です。 グリコール酸の作用として以下のことが認められています。 1. 角質層を薄くする→お肌に柔らかさが出ます 2. 表皮を厚くする→お肌に張りが出ます 3. メラニン産生能の抑制→美白効果があります 4. コラーゲン、エラスチン、グリコサミニグリカンなど細胞外基質の増加作用→真皮が厚くなり、お肌に張りが出ます 5. 皮脂を除去し毛穴に浸透→ニキビに効果的です 6. 皮下の血行改善→お顔の血色が良くなります 　当院では5％〜50％までを取り揃えて肌質や症状の改善具合により使い分けています。単回の施術も可能ですが1〜2週に1回の頻度で繰り返し行うことにより、効果が高まって行く治療です。 ● サリチル酸 ベータ・ヒドロキシ酸（BHA）であるサリチル酸は、古くから皮膚科領域で角化症の治療薬として用いられてきました。ピーリング剤として開発された当初は、50％という高濃度で用いられていました。そのため、瘢痕形成や色素沈着などの副作用のほか、サリチル酸中毒（めまい、耳鳴り、頭痛など）なども問題となる薬剤でした。現在では20〜30％の濃度で使用されていることが多く、安全性が高く使用できるようになりました。開発当初、サリチル酸をエタノールに溶解してピーリング剤として使用していましたが、日本人の肌には合わず、強すぎる傾向にありました。その後、サリチル酸を溶かすための基剤として”マクロゴール”を使用し始めたことで、安全性がさらに高まり、施術後のリスクが軽減されました。現在では”サリチル酸マクロゴールピーリング”として安全性高く、かつ安定した治療効果が得られています。当院でも安全性を重視してマクロゴールを使用しています。 　サリチル酸はグリコール酸に比べて「角質を溶解する作用」「深達度が強く皮脂や角栓を溶かし殺菌作用」があるため、ニキビ治療において特に有効です。施術後は、一時的にニキビがやや悪化する傾向がありますが、通常３回目ぐらいから徐々にニキビが少なくなっていきます。 　サリチル酸は薬剤の作用が強いため、月1回の頻度で行う治療でです。ニキビ治療において行う場合は治療期間として、5〜6か月間を見ていただくことが良いと思われます。 ●乳酸 乳酸によるピーリングはマイルドなピーリング作用で肌への刺激が少ないので、刺激を受けやすいわれわれアジア人のお肌はに適した治療法です。 ケミカルピーリングの中では美白効果が非常に高く、シミやくすみをはじめ、治療が難しいとされる肝斑にも優れた効果を発揮します。