AGAとは
薄毛治療
解説
親和クリニック 大阪院
公開日:2016/06/24
AGA(Androgenetic Alopecia)は男性型脱毛症とも言われ、男性に多く見られる頭部の脱毛症です。AGAの典型的な症状としては、額の生え際が後退しラインが「M字」のようになったり、頭頂部やつむじ周辺の毛髪が細く短くなってしまうというものです。現在、薄毛を認識している男性は全国で1200万人以上とも言われ、男性の薄毛のうち90%はAGAであると言われています。
またAGAは男性だけでなく女性にも見られ、女性の場合には「女性における男性型脱毛症」(Female AGA:FAGA)と呼ばれます。女性のAGAの場合は生え際のラインは変わらずに頭頂部を中心に全体的に毛髪が細くなる症状(Ludwig型:びまん性脱毛)が多いようです。
AGAは遺伝的、環境的な種々な原因があると言われますが、特定された原因のひとつに男性ホルモンが変異したジヒドロテストステロン(Dihydro Testosterone:DHT)があります。ジヒドロテストステロンは男性型脱毛症の最大の原因と言われています。
ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンであるテストステロンが体内に存在する5αリダクターゼⅡ型という還元酵素により変換されることにより生成され、これが毛乳頭細胞にある受容体に結合すると、毛髪の成長が阻害されてしまうのです。
AGAの進行度合いが人それぞれなのは、遺伝的にジヒドロテストステロンに対する感受性に個人差がある為と言われています。遺伝的にジヒドロテストステロンに対する感受性が高く、過剰に反応してしまう人は急激に薄毛が進行する傾向にあることが判っています。
薄毛の9割を占めるAGAとの戦いは、ジヒドロテストステロンとの戦いであると言っても過言ではありません。世の中には薄毛対策を謳っている様々な商品やサービスがありますが、ジヒドロテストステロン対策として医学的に根拠があるものはフィナステリドという薬品しかありません。
フィナステリドは日本ではプロペシアという製品名で売られている錠剤です。これを1日1錠(1mg)服用することにより、AGAの原因ジヒドロテストステロンの生成を抑えます。
ただあくまでフィナステリドはAGAの進行を抑える薬であり、新たに髪の毛を生やす効果はありませんので、既に進行してしまったAGAが劇的に改善することはありません。ミノキシジルの外用薬、内服薬により新たな発毛を促し、フィナステリドで脱毛を防止するというのが推奨されています。
AGAが遺伝的要因で起こる症状である以上、個人の努力で予防するのには限界があります。もしAGAによる薄毛が進行してしまったら、薬物療法と併せ、医療機関による外科的治療(自毛植毛術)が勧められます。